俺と硫黄島からの手紙−掘り下げ−
先日観た「硫黄島からの手紙」について、
一番心に残ったシーンとそれについて掘り下げて書いてみます。
以下映画の詳細部分も書いてありますのでご注意を。
ラストシーン直前の硫黄島陥落寸前。
重火器も弾薬も底を尽き、武器はそれぞれが持つライフルのみ。
あとは総攻撃を掛けて一矢報いるのみ、となり
先頭に立って突撃していた栗林中将が負傷し、
息も絶え絶えに傍らにいる西郷に話しかける場面
「内地の方を向けてくれ・・・ ここは、まだ日本か・・・?」
この映画で伝えたい部分はこのシーンに凝縮されていると断言します。
遠く離れた地にいても故郷のことを「日本」と呼ばず「内地」と呼ぶ意味。
会いたい、と思う家族を守るために遠く離れた地で戦って死んでいく理由。
戦争を美化するつもりも軍人精神を賛美するつもりもないけれど
家族のため、同胞のために辛い思いを堪えて戦った人達がいたことを
心の片隅に留め置いて、時々は思い出したいものです。
なお、この映画は、背景を知らないと全然理解できないわりに
本編でそれをわかりやすく説明するシーンが皆無という
「物語の背景を知ってることが前提」な古典落語のように見る人を選ぶスタイルで
この栗林中将の台詞も、戦争が起きた理由や、硫黄島の状況を知らずに見てると
「??????」となること間違いありません。
なので観てみようかなと思う方は事前にこの辺を見ておくと理解・共感できると思います。
Wiki 太平洋戦争
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E6%88%A6%E4%BA%89
Wiki 硫黄島の戦い
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A1%AB%E9%BB%84%E5%B3%B6%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84
独断ですが、日本という文化圏に生活するならば是非はともかくとして一度は見ておいて欲しい映画だと思います。