俺と過去の自分から丸投げ

先日「がん治療の是非について治療経験者から物申してみるぜ!」と言ってた件について続きを書きます。


多分長くなるので結論から先に言うと


「がんが増殖しまくって内蔵がまともに動かなくなる前に寿命で死ぬ見込みが高い場合は、しんどくて辛い抗がん剤を投与する治療をする必要はないんじゃないかと思うけど、こんだけ長寿高齢化して還暦突破してもまだまだ元気に働いている方々がいる環境じゃそんなのレアケースすぎですぜ。現代医学だと治療して元気になる可能性の方が高いし、わざわざ諦めるのは勿体無いんじゃないかな?」


医者じゃないから断言はできませんけどね。少なくとも自分が主治医から説明してもらったり、がんセンターがインターネットで公開している情報を読んでまとめたらこういう考えになりました(お医者さんでも神様じゃないから断言はできないと思います)


以下は何故そう思うのかを書いていきます。
以下は個人的な見解で、医学的に正しいとか正しくないとかを主張するつもりはありません。あくまで参考程度にお考え下さい。責任とか取れませんので。


がんになる前は「がんは怖い!がんになったら死ぬ!」と思っていました。
で、実際にがんになって色々聞いたり調べたりしてわかってきたのですが、細胞のがん化なんて誰の身体の中でも常に起こっているらしいですね。
(古い細胞が破壊されて新しい細胞に置き換えられる際に、製造エラーが起きて若干変な細胞ができちゃうと腫瘍と呼ばれ、その腫瘍の一部が「がん」と呼ばれるらしいです)


んで、通常なら製造エラーで作られたまともに働いていない細胞は破壊されてまた正常な細胞に置き換えられるんだけど、まれに破壊されずに残っちゃったりするのがいます。これを腫瘍と呼びます。
で、まともに働いてないだけでぼーっとしているタイプの腫瘍なら「しこり」とか「いぼ」と呼ばれるような「良性腫瘍」として放置できるんだけど、ごくまれに「周りの細胞に侵食して増えていくタイプ」があって、それがいわゆる「悪性腫瘍」と呼ばれる「がん」で、これを放置するとまともに働いていた細胞が壊されてその辺の臓器(胃とか大腸とか)が動かなくなっちゃう。


じゃぁそういうタイプのがんが発見されたらどうするかというと、切り取れる場所にある物なら外科的にサクッと切り取っちゃう。切り取れない場所にある場合は、放射線を当ててがん細胞が分裂しないように死滅させたり、抗がん剤を点滴で投与して科学的に死滅させようとします。
実際には、切り取れる場所にがんがあって外科的に切り取った場合でも、血液やリンパ液のように体内を循環している液体ががんの一部を他の場所に運んでしまっている可能性があり、それが運ばれた先で分裂して増えていって「がん再発」となるリスクがあるので「切り取っただけでおしまい!」というケースは少ないようです。


ちなみに自分の場合は、左顎の下のリンパ腺が大きくなって悪性腫瘍かも?との疑いがあったので、そこを外科的に切り取って分析した結果、悪性腫瘍と診断され、もうがんそのものは取ってしまっているけどリンパ腺で繋がっている他の部分に転移している可能性があったため、抗がん剤を入れて体中に絨毯爆撃を行って後顧の憂いを断っております。


ここだけ見ると、がんになったら即切除&抗がん治療したほうが絶対いいじゃん!と考えてしまうのだけれども、実際はもうちょっとこんがらがっているようです。それは何故か。ここに「抗がん治療なんてしたら医者に殺されるんじゃぁぁぁ!」と主張する人々がいる理由があるように思います。


がんと一口に言っても、元々は製造ミスから発生したものなので「似たようなタイプ」というのはあっても「全く同じもの」はありません。自分がなった悪性リンパ腫にしても、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫と分けられており、更にその中でもいくつか種類があり、更に更に自分の場合は主治医に「なんかちょっと変わってる」と言われてたりするわけで。
タイプが色々あるだけあって、進行速度とか再発のしやすさとかも色々ある訳です。顕在化してから数ヶ月で最終ステージまで進んでしまう進行の早いがんもあれば、数年単位でじわーりじわーりとしか進まない気の長いがんもあるし、抗がん剤が早く効くがんもあればゆっくりと効くがんもあります。


進行の早さ・遅さは罹った人の年齢や健康状況にも左右され、基本的に細胞分裂が早い若い人ほどがんが分裂するスピードも早いので進行が早いと言われています。またまた自分の場合の話ですが、結構なかなかに進行が早いタイプだったらしく、主治医から「明日から入院しようぜ!」といい笑顔で言われて翌日入院して即治療が始まったぐらいの速攻が必要なタイプだったようです。基本的に60歳ぐらいの人がなるタイプのがんだったらしく、60歳ぐらいでもそこそこ進行が早いタイプのがんに30代でなったんだからこりゃはよ治療せな!と思ってくれたようで。なお30代で罹患するのは10万人に1人らしいです。もうちょっとこう、他のいいことで10万分の1になりたかったなぁ。


話を戻してまとめると、若い患者で早く進行するがんもあれば、高齢な患者でゆっくりとしか進行しないがんもあり、患者個人の健康状態など千差万別色々あるので必ず速攻で抗がん剤を入れなきゃいけない!というわけではないようなのです。ゆっくり型だと早い時期ではどのタイプのがんなのか判断つかず、特徴出るまで経過観察というケースもあるようです。
なので、「あの医者はすぐに治療しろとか抗がん剤使えとか言うから儲け主義で悪い医者だ!」とか「こっちの医者はゆっくり時間かけて様子を見ようと言ってくれたから優しい!」と判断するのは間違ってるんじゃないのと思います。


長くなってきたので一旦区切って続きはまた後日。